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はじめに
おひとり様に限らず、誰もが人生の終盤に「一人になる可能性」を抱えています。
病気やケガで体が動かなくなることもあれば、認知症などで判断能力が低下することもあります。
そんなとき、財産管理や生活の契約ごとをどうするのか——。
その不安を解消する手段のひとつが 「成年後見制度」 です。
今回はFPの視点から、制度の仕組みやできること・できないことを、シンプルに解説します。
成年後見制度とは?
成年後見制度とは、判断能力が十分でない人をサポートするために、**家庭裁判所が選任する「成年後見人」**が本人に代わって財産や契約を管理する仕組みです。
いわば、本人の「意思決定をサポートする存在」。
本人の財産を守り、必要な医療や介護サービスにつなげる大切な役割を担います。
成年後見人の役割
できること ✅
- 本人の資産や収支の把握・管理
- 預金の出し入れ、公共料金や医療費の支払い
- 介護サービスや施設入居などの契約締結
- 不動産など重要な財産の処分(裁判所の許可が必要な場合あり)
できないこと ❌
- 食事や介護など、日常生活の直接的なお世話
- 医療行為の同意(延命治療などは本人・家族に限られる)
- 遺言の代筆や相続の手続き
👉 ポイントは、成年後見人は「生活のお世話係」ではなく、お金と法律の支援者ということです。
制度には2種類ある
成年後見制度には、大きく分けて2つの種類があります。
法定後見制度
- すでに判断能力が低下している人が対象
- 家庭裁判所が後見人を選任
- 親族や第三者(専門職など)が選ばれる
任意後見制度
- 判断能力があるうちに、あらかじめ契約で「将来の後見人」を決めておける
- 自分の希望を反映できるのがメリット
- 公正証書による契約が必要
成年後見人になれる人
成年後見人には、次のような人や団体が選ばれることがあります。
- 親族(子ども・兄弟姉妹など)
- 市民後見人(専門研修を受けた一般市民)
- 専門職(司法書士・弁護士・社会福祉士など)
- 福祉関係の法人(社会福祉協議会など)
👉 おひとり様の場合は、親族がいないため 専門職や法人が選ばれるケースが多いです。
相談窓口
「成年後見制度を利用したい」と思ったら、まずは身近な窓口へ。
- 市町村の福祉課
- 社会福祉協議会
- 地域包括支援センター
これらの窓口で、申立方法や必要書類、費用の目安を教えてもらえます。
まとめ
- 成年後見制度は、判断能力が不十分になった人の 「意思決定をサポートする仕組み」。
- できることは「財産や契約の管理」、できないことは「介護や医療の同意」。
- 法定後見と任意後見の2種類があり、親族だけでなく専門職や法人が選ばれることもある。
- まずは市町村や社協に相談してみることが第一歩。
信託銀行のようなサービスは資産要件がある場合もありますが、成年後見制度は 誰にでも利用できる安心の仕組み。
「もしもの時にどう備えるか」を考えるきっかけにしていただけたら嬉しいです。