🏠 第2回|介護にかかるお金のリアル
〜在宅と施設、どちらが向いている?費用の目安と考え方〜
「介護は、親のことだけを考えればいい」
……そう思っていたけれど、現実は“感情とお金”の両立でした。
介護は、想像以上に「時間」と「お金」の両方がかかります。
誰かの介護を経験した人ほど、「お金のことをもっと早く知っておけばよかった」と感じるものです。
平均介護期間は約5年。
介護にかかる総費用はおよそ550万円前後とも言われています。
(※生命保険文化センター調べ)
💰 在宅介護と施設介護の費用比較
介護には「在宅」と「施設」という2つの大きな選択肢があります。
どちらが良い・悪いではなく、家族の体力・お金・環境で判断することが大切です。
| 介護形態 | 主な費用項目 | 月額目安(自己負担) | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 在宅介護 | デイサービス・訪問介護・福祉用具・生活費 | 約5〜15万円 | 家族の関わりが多く、柔軟だが体力的負担が大きい。 |
| 施設介護 | 入居金・家賃・食費・介護費 | 約15〜30万円以上 | 身体的負担は軽くなるが、費用は高くなりがち。 |
🩷 特別養護老人ホーム(特養)は公的施設で費用を抑えやすいですが、入居待機が長期化する傾向があります。
一方、有料老人ホームやサービス付き高齢者住宅(サ高住)は、費用は高いものの入居しやすい選択肢です。
🩹 意外と多い“見えない出費”
介護は、月々のサービス費だけではありません。
実際にかかる支出にはこんなものがあります👇
- 医療費・薬代・おむつ代
- デイサービス以外の送迎交通費
- 福祉用具・住宅改修(手すり・ベッド・スロープ)
- 面会や付き添いにかかる食事・移動費
これらを含めると、月2〜5万円ほどの追加支出になることもあります。
FPとしての視点からは、
👉「介護専用の家計口座を分ける」
👉「領収書や支出を月単位で見える化する」
これだけでストレスが軽くなり、介護期間を冷静に管理できます。
🏛 公的制度のサポートを知っておこう
介護費のすべてを自分で賄う必要はありません。
次の制度を理解しておくだけでも、負担は大きく軽減します。
- 介護保険制度:要介護認定を受けると、1〜3割の自己負担でサービスを利用可能
- 高額介護サービス費制度:上限を超えた分が払い戻される仕組み
- 高額医療・高額介護合算制度:医療と介護の両方を利用した際の総負担を軽減
- 医療費控除:介護費用の一部を確定申告で控除できるケースも
👉 自治体によって利用できる補助制度が異なるため、地域包括支援センターや区役所での確認が重要です。
👩👧 おひとり様が備える3つの視点
1️⃣ 親のお金の流れを整理しておく
・通帳、年金、保険証を一覧に。
・意思確認が難しくなる前に、資産状況を共有。
2️⃣ 自分の生活を圧迫しない仕組みづくり
・自分の家計を守るための「支出上限ライン」を設定。
・介護費用が長期化する前提で、貯蓄・投資・収入バランスを見直す。
3️⃣ 法的な備えを整える
・任意後見制度・家族信託・代理権設定の確認。
・「誰が手続きを代行できるか」を明確にしておく。
🌷 まとめ
介護は「お金を出すこと」ではなく、
**“お金で安心を守ること”**でもあります。
早めに情報を整理しておくことで、
親にも自分にも“選択肢”を残せる。
備えは「優しさの形」であり、将来の自分への贈り物です。
🌿 次回予告
次回は、「親のお金、どこまで関わっていい?」
通帳管理や支出代行など、
「どこまで踏み込んでいいのか」をFP視点で詳しく解説します。

